2013年8月26日月曜日

8月22日(木) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース (非公式レース)

距   離: 90分 + 3周(1周長 1700mの自転車専用サーキットコース)
出走者数: 約60名   
天        候: 曇り   
気        温: 21度

<結果> 
吉田選手: 先頭グループ8名にラップされた集団のゴールスプリントで4着でフィニッシュし、
                   着順は12位。


今年の「パールイズミ ロードレーススクール」最終戦です。
吉田選手は、ベルギー・オランダの公式レースでは完走が難しいので、オランダの自転車専用サーキットで毎週開催されているトレーニングレース(非公式レース)で基礎技術・能力を向上されるレース活動に変更し、2週間前からオランダ・Dordrecht のレースを走っております。
今日のレースで吉田選手はスタート直後から果敢に動き、4名でいきなりアタックを仕掛けました。
この逃げは15分後に後続6名加わり10名となり、さらに20分後には16名の先頭グループになりました。その後、30分を経過した時点で集団が後方に迫り、その直後に8名がアタックして新たなる先頭グループを構成。残りの8名は集団に戻る形となり、吉田選手も集団に下がりました。
先頭8名は、足並みが揃っていて周回を重ねるごとに集団との差を広げ、残り数周の時点で集団を捕える位置に到達したため、集団は残り3周でラスト1周を宣告され、吉田選手は集団の中では4着でゴールし、12位となりました。

吉田選手は、コーナーが簡単なコースならば、ある程度は戦いに加われる能力を有しているのですが、コーナーリングの技術と
コーナーを出た直後の瞬発力が不足しているため、公式レースではベルギー・オランダ共、完走は出来ずに終わりました。
今回、「パールイズミ ロードレーススクール」に参加したことにより、日本では気が付かなかった欠点がはっきりと浮き彫りになり、今後の課題を確認することが出来ました。
日本帰国後、どの様なトレーニングがするべきか、スクール期間中に色々とアドバイスを与えましたので、今後は様々な工夫を盛り込んだ練習に励んで欲しいと思います。

2013年8月24日土曜日

8月20日(火) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース(非公式レース)

距         離: 90分+3周(1周長1700mの自転車レース専用サーキットコース)
出走者数: 約70名     
天         候: 晴れ時々曇り   
気         温: 21度
<結果>
吉田選手: トップグループにラップされた周回遅れ(1周)の集団でゴール、着順は不明。
8月15日のレースレポートでも報告しました様に、オランダでは各地に連盟公認クラブチームが所有する自転車専用サーキットコースが有り、毎週レースのためのトレーニングを目的とした非公式レース(トレーニングレース)が行われています。
日本の自転車競技選手、あるいは指導者から「どの様なトレーニングをすれば強くなれますか?」と頻繁に質問されます。
それに対する回答はズバリ「レースを走るしか強くなる方法はありません、レースこそが最高のトレーニングなのだから」です。
これが陸上競技と自転車競技の決定的な違いです。
殊の外、日本人が好む最新鋭の機材を利用した数値を向上させるトレーニングは、自転車競技に必要な基礎体力を養成しているに過ぎません。
しかし、自転車競技は陸上競技の様に基礎体力と運動能力が高い選手がそのままマイペースで走って勝てる程、単純なスポーツではないのです。
今回、吉田選手は公式レースを1レースも完走出来ておりませんが、レースを完走している選手の中には数値的には吉田選手よりも劣る選手が存在していると思います。
自転車競技では、集団の中を恐怖心を持たずに走れるか、コーナーを思い切り攻める走りが出来るかなど、心理的な要素が多々影響するのです。
これららの心理的要素を克服しない限り、たとえ数値的にはかなり高いレベルであっても決して優秀な選手になれないどころか、完走すら出来ない、それが自転車競技の難しい所でしょう。
自転車で速く走ろうと思えば、日本人が好む科学的な練習で誰でも速く走れるようになれますが、レースで上位に入る選手は、肝心な時に速く走れる選手であり、集団の中での位置取りや恐怖心を持たずに走れるかどうか、それが重要なのです。
これらの問題点を克服するには、レース、あるいはそれと同様の状況で走る以外に道は無いと言っても過言ではありません。
Dordrecht の自転車専用サーキットは、良好なアスファルト舗装で難しい鋭角コーナーも無く、日本人向きのコースと言えます。
そして、全てのカテゴリーが一緒に走るトレーニングレースなのでレベルも公式レースより低く、こういうレースを通じて初心者や経験の乏しい日本の選手は「レース慣れ」 する事が可能なのです。
今日のレースは、約20分が経過した時点で有力選手達が12名がトップグループを構成し、徐々に集団との差を広げ、1時間20分の時点で集団をラップしました。そのため、残り3周で集団は13位以下のゴールスプリントとなり、吉田選手もこの集団でフィニッシュしました。




2013年8月23日金曜日

8月18日(日) オランダ・Nispen クリテリウムレース

距        離: 80km
出走者数: 28名       
天        候: 晴れ  
気        温: 23度

<結果> 
吉田選手: スタート後約15分で集団から離脱、同様に千切れた選手と共に走行を続けまし
                     たが、約50kmを走った時点で降ろされました。 DNF


午前中は雨模様で気温も20度以下と肌寒い天気だったのですが、午後には雨が上がり気温も23度と心地良いレース日和になりました。
ベルギーとの国境線に位置するNispenは、滞在地Essen(ベルギー)から僅か6kmの隣町。 今年の「PIロードレーススクール」で参加するレースでは最も近距離の謂わばホームレースです。

コースは1800m、三角形で一箇所鋭角のコーナーがありますが、舗装は比較的良好なレンガ道が3分の1で殆どがアスファルト舗装。
地元ゆえ、練習中に何回かコースを通過して試走も行っていました。

今日のレースは出走者が28名と極端に少なく、こういう少人数のレースでは常に前に位置しようと強い意識を持って、積極的な走りをしないと直ぐに集団の最後尾になってしまいます。 
コーナーの立ち上がりのダッシュ力が不足している吉田選手は、最初の周から後方になってしまい、約15分で集団から離脱してしまいました。
その後も走行を続けましたが、昨日と同様に約50kmを走った時点で降ろされてしまいました。

やはり現在の吉田選手のコーナーリングテクニックとコーナーを出てからのダッシュ力では、公式レースでの完走は困難であることがはっきりしたレースとなってしまいました。

2013年8月22日木曜日

8月17日(土) オランダ・Pijnacker クリテリウムレース

距         離: 80km
出走者数: 63名   
天         候: 晴れ時々曇り  
気        温: 24度
<結果>
吉田選手: スタート後、約5周で集団から離脱。 同じく離脱した選手達と数名のグループ
                    で走り続けましたがレースが半分を経過した時点で降ろされました。 DNF
Pijnackerのコースは、長方形、4コーナーで比較的簡単なのですが、スタート&フィニッシュとその反対側の直線においてスピードが上がり、毎年高速レースになっています。
先週の Berlel en Roodenrijs のレースと同様に実力のある選手が複数参加していたため、スタート直後からハイスピードの展開となりました。
吉田選手は、2周目から集団の後方に下がってしまい、約5周で離脱してしまいました。
今日は高速レースだったため、力の無い選手が次々と離脱し、その選手達と共に数名のグループを構成し、先頭交代をしながら追走しましたがトップグループには複数回、ラップされてしまいました。そして、レースがちょうど半分終了した時点でグループと共に降ろされました。

 オランダのクリテリウムレースは、現在の吉田選手の力では明らかにレベルが高すぎると思います。
それでも今日のようにラップされてもある程度の距離は走行を継続させてもらえるレースもあるので、良い練習になっています。




8月15日(木) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース(非公式レース)

距        離: 1周1700mの自転車専用サーキットコースを90分+3周
出走者数: 約70名   
天        候: 晴れ時々曇り   
気        温: 25度
 
<結果>
吉田選手: 集団のゴールスプリントで15位前後でフィニッシュ、完走。
 
 
今日はオランダのDordrechtを拠点とする連盟公認自転車クラブ DRC de Mol が所有する自転車専用サーキットコースに行きました。
ここでは4月第1週から9月の第1週までの毎週火曜日と木曜日に非公式のトレーニングレースが行われています。
オランダでは連盟公認クラブの多くが自転車専用サーキット、あるいはトラックを所有していて、そこには立派なクラブハウスが建てられています。
これらの専用サーキットは有効に利用されていて、毎週2~3回、トレーニングを目的とした非公式レースが開催されたり、子供達、初心者を対象としたレース講習会が行われています。
DRC de Mol の自転車専用サーキットコースは、1周長1700m。きれいなアスファルト舗装で、箇所登坂も含まれている本格的なサーキットです。
コースの内部には、シクロクロスレースコースが設置されていて、冬季には毎週末にシクロクロスのトレーニングレースも開催されています。
 
火曜日と木曜日のトレーニングレースは、夜19:00にスタートします。 
レースはNieuwelingen (15-16歳男女)、ジュニア(男女)、U23(男女)、エリート(男女)の全てのカテゴリーが同時にスタートします。 距離は90分経過した時点で残り3周となりますが、Nieuwelingen (男女)は距離が多少短く設定されています。(Nieuwelingen のみ、ゼッケンの色が異なる)
 
吉田選手は、これまでエリート+U23の公式レースをベルギー、オランダで合計16レース走りましたが、現在の力ではレベルが高すぎて、未だ1レースも完走出来ておりません。そこで、レベルを落としてトレーニングレースで力を付けるプログラムを取り入れることにしました。
非公式のトレーニングレースとは言え、出場選手は皆、積極的で、アタックが絶え間なく繰り返される高速レースになります。
しかし、DRC de Mol のサーキットには難しい鋭角なコーナーは無く、コーナーリングとその立ち上がりを苦手とする吉田選手でも十分に戦いに加われるコースでした。
今日のレースを走ったことにより、吉田選手の
欠点がはっきりと浮き彫りになりました。 
簡単なコースならば走る能力があるのです。
今後の課題が明確になる貴重なレース経験となりました。


8月11日(日) オランダ・Beverwijk クリテリウムレース

距        離: 100km
参加者数: 57名 (完走39名)  
天        候: 晴れ時々曇り  
気        温: 21度

<結果>
窪木選手: トップグループ10名、第2グループ5名に次ぐ第3グループでフィニッシュ。 
                    着順は24位で賞金獲得。(30位まで賞金)
吉田選手: 3周目に集団から離脱。 
                    その後も走行を続けましたが、15分程度で降ろされてしまいました。 DNF


この週末は、気温が20度を少し上回る程度で、レースを走るのにはちょうど良いのですが日陰や風当りの強い場所は半袖では肌寒い位で、 レースを観戦する観客の多くが長袖の上着を着ていました。
Beverwijkのコースは、街のメインストリート(賑やかな商店街)をスタート&フィニッシュとした1周長1200mの長方形。
路面は全て良好なアスファルト舗装なのですが、道幅の細い箇所が多く、決して簡単ではありませんでした。
 
今日も昨日と同様にオランダの有力チームに所属する若手選手が多く出走したため、スタート直後からハイペースになりました。
吉田選手は、このハイスピードに付いて行けず、3周目で集団から離脱。 単独で追走し、途中からは同じように離脱した選手と走行を続けましたが、15分程度経過した時点で降ろされてしまいました。

スタート後、約20分が経過した頃に7名の有力選手を含む10名のトップグループが構成され、一気に集団を突き放しました。
窪木選手は、スタート位置が後ろの方だったため、前に出るのに多少時間が掛かって、その間に前方で有力選手達のアタックがあったため、それに乗り損なってしまった様子でした。
約1時間が経過した時点でトップグループは集団の後方20秒まで迫り、それを確認した窪木選手が集団の先頭を積極的に引いてペースアップを図り、30秒差と挽回したのですが、窪木選手が後方に下がった瞬間に5名が集団から飛び出し、第2グループを構成。この第2グループにも実力のある選手が居たので、集団との差は徐々に広がりました。
後半に入って、トップグループは集団をラップしたため、集団は16位以下を決めるゴールスプリントの末、打ち切りになり、窪木選手は24位に入りました。
その後、トップグループは、残り2周で第2グループの後方に迫ったため、第2グループは1周を残して11位~15位を決めるゴールスプリントになり、結局100kmを完全に走破したのはレース前半で逃げを決めた10名のみでした。
窪木選手は、全日本トラック選手権に出場するため、今日のレースを最後に日本に帰国します。
最後の2レースには、オランダのコンチネンタルチームの選手が複数参加していて、レベルの高いレース内容でした。プロ予備軍的存在の若手選手達のレベルを肌で感じ取れた事と思います。
また、ベルギーのケルメスレース、オランダのクリテリウムレースと2つの異なる形態のレースを走り、その違いなど、多くを学んだはずです。 



注: 現行のUCIカテゴリー制では、エリートカテゴリーのUCI登録チームに「UCIプロチーム」、「UCIプロフェッショナル・コンチネンタルチーム」、そして「UCIコンチネンタルチーム」が存在します。 オランダでは、前者2つを「プロフェッショナル A 」、 コンチネンタルチームを「プロフェッショナル B 」と分類しています。
所謂本当の意味でのプロフェッショナルチームは「プロフェッショナル A 」であって、「プロフェッショナル B 」のコンチネンタルチームは、かつては「アマチュア・スポンサーチーム」と呼ばれていたチームです。それが以前はプロしか出場出来なかったレースにも出場可能になったために便宜上「プロフェッショナル B 」という名称が使われていますが、多くのチームの実態は、本来のプロチームとは比較にならず、世間一般ではコンチネンタルチームの選手をプロと認めていない傾向が強くあります。

2013年8月12日月曜日

8月10日(土) オランダ・Berkel en Rodenrijs クリテリウムレース

距        離: 100km
出走者数: 70名(完走37名)  
天        候: 晴れ時々曇り  
気        温: 21度
 
<結果>
窪木選手: スタート後約30分で発生した落車に巻き込まれ転倒、リタイア。 DNF
 
吉田選手: 最初の2周は集団前方の良い位置を走っていましたが、4周目に一気に後退し、
                    最後尾となり、数周後に集団から脱落。単独で3周程走り続けましたが降ろされ
                    ました。 DNF


Berkel en Rodenrijs は、オランダが世界に誇る港湾都市Rotterdamの近郊の住宅地。 
大都市周辺で開催されるレースは、多くの企業がスポンサーとなるので、賞金と懸賞金の額が高く、そのため実力のある選手が多数出走し、レベルの高いレースとなります。

コースは、ゴール手前にクランク状のコーナーがありますが、ほぼ長方形。 道幅も広く、舗装状態も良好なので、毎年高速レースとなっています。今年も最初からハイスピードレースとなりました。

吉田選手は、スタート直後は集団のかなり前方に位置していたのですが、コーナーの立ち上がりの鈍さによって、徐々に後退し、
数週で集団の最後尾となり、離脱してしまいました。
 
窪木選手は、スタート位置がかなり後ろだったため、最初は集団の後方を走っていましたが、周回を重ねる内に前方に出て来ました。アクシデントが起きたのは、スタート後約30分が経過した頃。フィニッシュラインを通過して最初のコーナーで発生した落車に窪木選手も巻き込まれてしまいました。
 
今日のレースには、実力のある若手選手が多く出場していたため、このレースを窪木選手がどの程度の順位で走り切るか、とても興味があったのですが、落車リタイアという残念な結果で終わってしまいました。
 



2013年8月7日水曜日

8月4日(日) オランダ・Zevenbergen クリテリウムレース

距        離: 80km 
出走者数: 37名  
天        候: 晴れ
気        温: 26度
 
<結果>
窪木選手: トップグループ3名、第1グループ3名、それを追う後続グループ8名で走って
                    いましたが、残り2周で降ろされました。しかし、着順は14位で賞金獲得。
 
吉田選手: 1周目から集団の最後方に下がってしまい、2周目に離脱。 
                    4周目に降ろされました。 DNF
 
 
今年の「PIロードレーススクール」参加レースの中で最もテクニカルなコースが今日のZevenbergenです。1周1650mの中に9コーナー、舗装の大半がレンガ道で、その一部には本格的な石畳路が含まれます。コースは、建物が密集する街の商店街なので、風の抵抗はあまり気になりませんが、一部になだらかな登坂があり、後半は確実に脚に効いてくる厳しいレイアウトです。
 
吉田選手はコーナーでの立ち上がりの瞬発力が不足しているので、この様な多コーナーのコースでは当初より苦戦が予想されましたが1周目から最後部に下がってしまい、2周目に脱落してしまいました。
 
レースは、前半に4名がアタックを仕掛けて先頭グループを構成。集団の中にこの4名を捕えようする動きは無く、距離は徐々に開きました。途中で先頭グループから1名が脱落しましたが、3名になってからもスピードは衰えず、残り13周の時点で1分半近くの差となりました。その後、後続集団は窪木選手を含む12名の第2グループと十数名の第3グループに分離。

大きな動きがあったのは先頭グループが後続集団の最後尾を見れる位置まで追い付いて来た時、第2グループから有力選手2名が集団から飛び出し、しばらく間を置いてやはり実力のある選手1名が飛び出して前を行く2名に合流し、3名の第2グループを構成しました。
窪木選手は、この重要な局面に反応出来ず、取り残され組になってしまいました。
 
その後、トップ3名は2名-1名に分離し、2名が最終グループをラップし(ラップされたグループはその時点で打ち切り)、ラスト2周で窪木選手のグループに迫り、窪木選手は審判からレース停止を宣告されて降ろされましたが、この時点での順位14位が結果として記録され、賞金を獲得しました。
 
今日のレースで窪木選手は重要な局面では反応出来ず、十分に力を出し切れない状態で上位入賞を逃すばかりか、残り2周で降ろされてしまいました。レース状況の把握、展開の読みなどにまだまだ甘さが見られました。特に最初からマークすべき選手は分かっていたにも拘らず、その選手達のアタックを見送ってしまったミスは、本人も良く分かっていた様子です。






 

2013年8月6日火曜日

8月3日(土) オランダ・Burgh Haamstede クリテリウムレース

距        離: 80km
出走者数: 71名  
天    候: 晴れ   
気        温: スタート時 22℃ / 終了時 18℃
 
<結果>
窪木選手: 15名のゴールスプリントで4位、賞金を獲得。
 
吉田選手: 2周目に集団から離脱、追走しましたが2周ほどで降ろされてしまいました。
        DNF
 
 
オランダ南西部海岸沿いのリゾート地 Burgh Haamstede で行われた夜7時スタートのクリテリウムです。
天候に恵まれ、多くの観光客で賑わい、大変良い雰囲気のイベントになりました。
コースはほぼ四角形で、スタート&フィニッシュが街の中心街にあり、道幅も十分なレンガ道、その反対側は森林の中を抜ける細いアスファルト舗装となっていました。

今日は、窪木・吉田両選手共、最前列で並んでスタート。1km程度で道が細くなるので、有利な位置展開でしたが、吉田選手はコーナー出口での立ち上がりのスピード不足により、早々に後方に下がってしまい、3周目に離脱してしまいました。レース前半にコンチネンタルチーム所属の有力選手を含む6名がアタック。この6名は最大50秒程度の差を集団に付けて逃げ続けましたがレース後半に入って先頭グループの中から逃げを試みる選手が居たため、3名ー3名にグループが分離。そのため、先頭グループは足並みが乱れて減速、結果的にはこれが災いし、9名の後続のグループが最終回に6名を捉え、15名による集団スプリントになり、窪木選手は4着でフィニッシュしました。

これまでオランダのクリテリウムレースにおいて、窪木選手は事前公示無しに不規則的に出される懸賞にこだわり過ぎて、そのため無駄な走りをしていたと思います。今日はスタート前に「中間懸賞よりも最終順位を考えた走りを」といった内容の指示を出しました。それを実行したため、あと一歩で表彰台という大変良い結果を出す事が出来ました。

注: オランダのクリテリウムレースの中間懸賞金、ポイントシステムには決められた規則(ルール)は無く、また事前にその周回なども公示されず、全てアナウンサーによってレース中に突然告げられるので、オランダ語・英語を聞き取れない選手は不利な展開となります。よって、中間の懸賞金・ポイントに惑わされず、最終順位を重視した方が良い走りが可能になります。
 尚、日本ではトラックのポイントレースと同様にポイントを多く獲得した選手が最終順位でも上位になる制度を採用しているレースがありますが、本場欧州ではその様なレースは行われておりません。なぜならば、ロードレースの醍醐味は最終的に1位でゴールした選手が優勝するという点にあり、観客にも分かりやすいからにほかなりません。オランダのクリテリウムレースの中間ポイントは、懸賞金獲得のためのポイントであり、最終順位とは無関係なのです。日本の様にトラックのポイントレースと同じシステムを導入したならば、観客にとって分かりずらいレースとなってしまい、クリテリウムレースの人気は確実に衰退するでしょう。





 

 
 

2013年7月31日水曜日

7月31日(水) オランダ・Zundert クリテリウムレース

距        離: 80km
出走者数: 74名
天        候: 曇り時々晴れ   
気        温: 25℃

<結果>
 窪木選手: スタート後約20分の時点で形成された15名の先頭グループに加わり、
       10着でゴール、賞金を獲得。
吉田選手: スタート後約22分で集団から離脱、追走しましたが2周程度で降ろされました。


Zundert は、オランダの有名な画家 Vincent Van Gogh (フィンセント ファン ゴッホ)の生まれ育った街。彼の生家は現在は「ファン ゴッホ記念館」として保存されています。 その記念館の前が今日のレースコースになっています。コースは4コーナーでほぼ長方形、路面はアスファルト舗装とレンガ舗装が半々、比較的簡単なコースゆえ、高速レースになります。
レースは、スタート後約20分でペースが上がり、窪木選手を含む15名が先頭グループを形成。 その際に集団から吉田選手ともう一人が同時に離脱。この2名は追走を続けましたが、今日のレースは観客がコースを自由に横断する箇所が多く、危険回避のため、離脱して集団に復帰する見込みのない選手は即座に降ろされました。
先頭グループはその後、後続の集団に約1分の差を付けて逃げ続けましたが、約1時間が経過した時点で後続集団から14名が飛び出して先頭との差を徐々に縮め、残り8周で25秒差、6周で20秒差まで迫りましたが、残り3周に入って先頭グループで駆け引きが始まり、6名がアタックを決め、残り2周で Rabobank U23 Team の選手が単独で逃げましたが最終回直前に捕まり、
最後は6名-3名-窪木選手-1名-4名という順番でフィニッシュとなりました。
一昨日(7月29日)のレースでは、展開の拙さで敗北を味わった窪木選手ですが、今日は落ち着いてレースの展開を見て走るように努め、巧く先頭グループに乗る事が出来ました。前回の失敗が教訓として活かされた良いレースだったと思います。
最後に逃げを決めた6名の内、5名はU23カテゴリーの選手達で、2位はポーランドU23ナショナル選手権で2位に入っている選手。4名のオランダ選手もオランダ国内の「コンチネンタル・ナショナルチーム」に所属する選手達でした。彼等は、一般のクラブチームで走っている選手達と比較すると実力が明らかに上回っていると認識出来る走りでした。





7月29日(月) オランダ・Roosendaal クリテリウムレース

距         離: 80km (29周)
出走者数: 68名    
天        候: 晴れ時々曇り  
気        温: 23℃
 
<結果>
窪木選手: 28位以下を決める28名の最終グループで5番目にゴールし、着順は32位。
                   (完走は55名)
 
吉田選手: 4周目に集団から離脱。同じく千切れた選手と2名で走り続けましたが、
                    残り10周で降ろされました。DNF。
 
 
Roosendaal のクリテリウムは、荒れたレンガ舗装の部分が多く、しかも風が吹き抜ける運河沿いの直線が長く、運河に架けられている跳ね橋を180度旋回するコーナーなどが含まれていて、オランダのクリテリウムの中でも難易度の高いコースレイアウトになっています。
今日は気温23度前後で涼しく、走りやすい天候だったのですが、多少風があったため、運河沿いの直線での位置取りが重要な要素になると予想されました。

吉田選手は、前を走る選手の後方(風を受けにくい位置)にピッタリと付いて走ることが出来ず、そのため空気抵抗を必要以上に受けている様子。そのため、1周目から集団後方に下がってしまい、スピードが上がった3-4周目に集団から離脱。同様に離脱した選手と共に走行を続け、周回遅れになってからも走り続けましたが、残り10周の時点で降ろされました。
吉田選手は、コーナーでの立ち上がりの鈍さだけでなく、日本のレースではあまり重要な要素にならない集団内を走る技術が不足しているため、当地のレースレベルには、付いて行くのさえ困難な状況です。レースの前半は、スピードがあまり上がらず、そのため窪木選手は常に先頭周辺に位置し、周回ポイントを取りに行く積極的な走りをしていました。また、他の選手達のアタックにも殆ど全て反応する動きをしていたのですが・・・
残り9周で有力選手達が仕掛けたアタックにより構成された13名のトップグループに乗ることが出来ず、さらにそれを追走する第2グループ(7名)、第3グループ(5名)にも加われず、最終グループに取り残されてしまいました。


窪木選手は、レース展開(駆け引き)の拙さを自ら自覚していて、PIロードレーススクールではこれを学ぶ事を最大の目標と考えておりますが、今日はこの欠点が鮮明に浮き彫りになりました。レースが肝心な局面を迎えた時に集団の後方に下がってしまい、最初からマークする様に注意していた有力選手達の動きには反応出来なかったのです。レースを走り終えて「今日のレースのペースは遅かったし、調子が良かったので優勝出来るレースだった・・・」などと語っていましたが、これこそ大きな勘違い、錯覚で、レースが全く読めていない証拠でしょう。
ペースが遅かったのは、窪木選手が自由に動けた前半だけ。(だから調子が良いと感じた?)
そして、遅かったのは窪木選手が取り残された最終集団であり、それは言うならば「弱者の吹き溜まり」であって、先頭グループのペースは速く、特にラスト2周は激しい駆け引きの攻防戦となっていました。 
実際、最終集団は先頭グループに2分半近くも差を付けられていますし、その次のグループ8名とも1分半の開きがありました。 
「優勝」を意識(口にする)出来る選手が、この様な最終集団に居るはずなど無いのです。

 
自転車ロードレースは、独走(T.T)のタイム、あるいは心拍計やペダルを踏み込む際のパワー(トルク)を計測する機器に現れる「数字」がいかに優秀であっても、レースで強い選手とは限りません。数字には表れない選手のセンスが大きな要素となっているのです。
高い数値を出せる選手は、単純に「基礎体力がある」というだけであり、それは「強い選手」の基準にはなりません。ロードレースで「強い選手」とは、「安定して上位に入れる選手」であり、基礎体力で勝っていても駆け引きが下手な選手は「弱い選手」なのです。


2013年7月30日火曜日

7月27日(土) ベルギー・Bambrugge ケルメスレース

距        離: 112.5km (15周)
出走者数: 93名
天        候: 晴れ時々曇り  
気        温: 29℃
 
<結果>
窪木選手: レース前半から積極的にアタックを仕掛け、偶数周に掛けられた懸賞金を
                    3回獲得。最終回は、飛び出した2名を追走する30名のゴールスプリントで
                    9番目にゴールし、11位で賞金獲得。
 
吉田選手: スタート後、しばらくは集団の後方ながら流れに乗れていたのですが、4周目に
                    ペースが急激に上がった際に離脱。追走を続けましたが、5-6周に入る時点
                    で降ろされました。 DNF。
 
 
今日は午前中にベルギー全土で激しい雷雨があり、大水、落雷などの被害が各地で発生しましたが、午後からは天候が回復し、まずまずのレース日和となりました。Bambrugge のコースには、なだらかな登坂が含まれ、ゴールに向かう直線も若干登りになっていました。
 
窪木選手はスタート直後から積極的にアタックを仕掛け、2周目に偶数周に掛けられたプレミー(懸賞金)をまず獲得。その後も果敢に動き、レース中盤に1回、そして最後の14周目のプレミーも獲得しました。今日のコースは、僅かながら登坂を含み、窪木選手が得意とするパターンのコースレイアウトであったため、これまで出場したレースの中では最も思い通りの動きが出来た様子です。
レースはラスト2周で32名に絞られたトップグループの戦いになり、最終回の残り約半周でアタックした2名がそのまま逃げ切り、後続30名のスプリントで窪木選手は9着でゴールし、11位に入りました。
 
吉田選手は、レースが高速になると現在の力量では集団に付いて行くのが困難な状況です。
これを克服するには、かなりの負荷を掛けたインターバルトレーニングなど、日常のトレーニング内容に工夫が必要で、これまで行ってきた
日本国内でのトレーニングのあり方から考え直さなければならないでしょう

2013年7月29日月曜日

7月25日(木) ベルギー・Laarne ケルメスレース

距   離: 115.5km(19周)
出走者数: 101名  
天        候: 晴れ  
気        温: 29℃

<結果>
窪木選手: 先頭グループ13名ー1名に続く集団でゴール。 着順は24位で賞金を獲得。 
       (30位まで賞金)
吉田選手: スタート直後から積極的に前に出てアタックに加わりましたが、その際に完全に
        脚を使い果たしてしまい、2周目に集団から離脱、3周目に入る時点で降ろされ
                    てしまいました。DNF。
  
今週の火曜日から湿度が多少上がり、当地では珍しく夜間の気温も20度以上、夏でも涼しい日が多い地域としては「熱帯夜」とも言うべき寝苦しい夜が2日間程ありました。
今日は午前中に雨が降り、午後からは快晴になりましたが、これまでの出場したレースの中では湿度が最も高かった様に感じました。(と申しましても日本の蒸し暑さとは比較にならない程度です)
そのため、最後までレースを走り切った窪木選手は、2回のボトル補給を必要としました。
  
今日はレース前に「PIロードスクールでは参加出来るレース数が多く、しかもそのレースは日本での活動の評価基準にはならない。だから思い切った冒険が出来る。その中で自分自身の技量を見極め、試行錯誤を繰り返しながらレースの駆け引きを学び、その結果としてレースの流れに乗る感覚が養われる。」と言った内容のアドバイスを選手2名に与えました。

吉田選手は、このアドバイスに基づいた行動を早速実行しました。スタート直後から集団の最前列に出て、アタックを始めたのです。これまで吉田選手は最初から後方に下がってしまいがちだったので、最初から先頭グループを自ら構成するといった冒険的な走りを試みました。結果は、現在の持久力では短時間に力尽きてしまい、後続に追いつかれた際に既に出し切った状態で集団に付いて行けず終わってしまいましたが、自分自身の技量を知るためにも、こういう勇気ある冒険は必要でしょう。今日のレースの冒険によって、現時点における限界線を確認出来たはずで、短時間に終わってしまったとは言え、勉強になったと思います。


窪木選手は、これまでのPIロードスクール受講生の中では最も独走能力(トラックの1kmTT, 4kmパーシュートなど)の高い選手なのですが、思いのほか苦戦を強いられています。自転車ロードレースは、必ずしもはっきりと現れる数値が成績に繋がるとは限りません。
ここがロードレースの面白い要因の一つとも言えるでしょう。おそらく窪木選手よりも数値的にはかなり劣る選手達が「駆け引き・レース展開の巧さ」で彼よりも上位でゴールしていると見受けられます。
今日は特に「駆け引き」を考慮してレースに臨み、最後に集団から単独で飛び出すアタックを試みました。このアタックは、吉田選手と同様に自身の能力・技量を知るための冒険であり、結果は集団に捕まってしまいましたが、学ぶものは確実にあったレースでした。

2013年7月26日金曜日

7月22日(月) ベルギー・Sinaai-Waas ケルメスレース

距   離: 110km (5.5km X 20周)
出走者数: 66名   
天   候: 晴れ   
気   温: 30度
 
<結果>
窪木選手: 先頭グループ5名、第2グループ11名を追走する4名グループでゴール、
        着順は20位。但し、先頭グループから距離が離れていたため、残り2周の
                    時点で窪木選手のグループは、打ち切りになりました。
 
吉田選手: 第1周目に集団から離脱、独走で追走しましたが、2周目が終了した時点で
                    降ろされました。DNF。
 

先週金曜日と同じSinaai-Waas で、コースも距離も全く同じレースです。
今日は気温が30度まで上がり、当地ではかなりの猛暑となりました。 この暑さと平日の昼間に開催されるレースだったため、出走者数は先週金曜日の約半数の66名でした。
 
吉田選手は金曜日のレースでは1周目に発生した数名の落車に乗り上げる形で転倒し、早々にリタイアしているので、今日は落車に巻き込まれないように最初から集団の前の位置に出る走りを心がけましたが、石畳舗装の箇所で一列で自転車道を走る場面において、スピード不足のため次々と抜かれて、あっという間に集団の最後方まで下がってしまいました。そして、コーナーでの立ち上がりのダッシュにも付いて行けず、1周目で集団から離脱。単独で追走しましたが、2周目が終了した時点で降ろされました。
 
窪木選手は、前回のレースでは「駆け引き」などを殆ど考えずに多少無謀とも言える走りをしてしまったため、「今日は駆け引きを意識した上で全力を出し切る走りをする様に」と指示。
 レースは2周目に飛び出した4名が5周目には集団に約1分の差を付けて逃げ続ける形になりました。大きな動きがあったのはちょうど半分を終了し、11周目に入った時。金曜日のレースで優勝している Guy Smet 選手が後続集団から単独で飛び出し、2周以上をを独走で走りトップ4名に合流。15周目には後続集団も動き始め、11名が第2グループを形成。窪木選手は、第3グループからこの11名を捉えようと単独でアタックし、途中から2名の選手で追走するも及ばず、逆に後方から来た選手に捕まり、4名のグループで残り2周を迎えましたが、このグループは先頭との距離が開いたため、この時点で打ち切られ、結果は20位でした。
 
窪木選手は金曜日の失敗を教訓として、補給食を持ち、途中でボトル(水)の補給も受けるなど、考えながら走りましたが、レースにおける駆け引き、例えば前のグループを追走する場合に単独で行くべきか、一旦戻って体制を建て直して複数でトライするかなど、瞬時の判断がまだまだ十分には出来ていない様に見受けられました。
レースでは様々な状況に応じた適切な判断が必要であり、しかもそれが瞬時に閃かなくてはなりません。 この「瞬時の判断」を養うためにはレースを数多く走るしか方法は無く、ゆえに
レースの本場欧州の選手達はレースをトレー
ニングとして、毎週3~4レースを消化しているのです。