2014年7月3日木曜日

6月29日(日)ベルギー・Hansbeke ケルメスレース

距離:118km (1周約6.9km X 17周)
出走者数:74名
天候:晴れ
気温:16度

<結果>
川口選手:5周目に集団のスピードが上がった際に単独で離脱し、6周が終了した時点で降ろされました。DNF。

佐々木選手:レース中盤、集団がいくつかのグループに分離した際に最後尾のグループ5名に取り残された形となり、5名で2周半程を走りましたが、12周目に入る時点で降ろされました。しかし、このグループ5名までは、降ろされた時点での順位で着順が付いて37位でした。(着順が付いたのは39位まで)


2014年「パールイズミ ロードレーススクール」の最終戦です。午前10時半頃から雷を伴う激しい雨が降り、所によっては大水が出るなど昼過ぎまでは大荒れの天気でしたが、レースが開催されるHansbekeの街に到着する頃には雨もすっかり上がり、スタート時には路面も完全に乾燥。多少風はあったものの空は晴れて、レースを走るには心地良い天気になりました。
 
コースには一箇所、急激に道幅が狭くなるコーナーと荒れた舗装がありましたが、そこ以外は特に技術的面で特別に困難なものではありませんでしたが、スタート後、直ぐに鉄道の線路沿いに走る直線、そしてゴールに向かう直線が長いため、風の影響を受けやすく、スピードとその持続力を要求される厳しいレースとなりました。今日のレースは毎周回、1着通過者に20ユーロの懸賞金が出されていたため、これを狙う小グループのアタックが毎週回ありましたが、前半戦は集団が崩れずに進みました。

5周目に6名の先頭グループ、それを追走する18名の第2グループが構成された際にスピードが上がったため、数名の選手が集団から離脱。川口選手も直線でのハイスピードに付いて行けず、単独で離脱。6周目を単独で走りましたが7周目に入るゴール通過で降ろされてしまいました。
6周目に第2グループが先頭グループに追い付いて、「先頭グループ24名―集団」になり、その翌週には集団が二つに分離。レースがちょうど半分経過してから動きが激しくなり、先頭グループからは4名が飛び出し、「2名―7名―集団1-集団2(最後尾)」の形となり、佐々木選手は最後尾集団に。その後、最後尾集団も分離して前に出る力のある選手は前の小グループを吸収して26名の集団を構成。しかし、佐々木選手はそれに加われず、9周目に5名の最後尾グループとなってしまいました。この5名は11周が終了するゴールライン通過時に降ろされてしまいましたが(残り6周)、着順は記録されて佐々木選手は37位でした。

これまで出場したベルギーのケルメスレースは、比較的簡単なコースのレースでしたが、今日のコースは、コーナーなどの難易度は低いものの、直線の距離が長く、そこでハイスピードになった際にスピード、瞬発力、持久力など真の実力を要求される、ごまかしの通用しないレースでした。佐々木選手が降ろされた後、「あ~、弱い!」と自分自身に向かって叫んだ一言、まさにその通りで、最末端クラスのローカルなレースとは言え、本場欧州のレベルの高さを2名共、改めて思い知らされました。


2014年7月1日火曜日

6月28日(土) オランダ・Kruiningen クリテリウムレース

 距離:1900m X 42周 約80km 
出走者数:35
天候:曇りのち一時小雨
気温:20度 終了時18
 
<結果>
川口選手: メイン集団で何度か千切れそうになりながらも何とか喰らい付いていましたが最終回の鋭角コーナーで単独落車し
        リタイア。DNF

佐々木選手:ラスト数周、メイン集団からもう一人の選手と2名で集団から飛び出し、最終回は単独走行になりながらも集団に追い
        付かれる事無くゴールし、着順は16位で賞金を獲得。


Kruiningenのコースは、典型的なオランダのクリテリウムのレイアウトで、鋭角なコーナー、荒れたレンガ舗装、突然細くなる道幅、S字のカーブなどが含まれています。今日はオランダ選手権(U23)と重なり、しかも近郊の別の街でもクリテリウムレースが開催されていたため、参加選手は35名と少なく、さびしい感じのレースでしたが、30位までに賞金が出されるため、川口・佐々木両選手も賞金獲得を目標としてスタートしました。 

レースはスタート直後からハイスピードになり、川口・佐々木両選手共に前半は集団の後方に位置するのが精一杯の状況でした。しかし、残り22周、中盤に入る頃に6名が先頭グループを構成すると集団のペースは安定。そのため、佐々木選手は1人の選手と2名で集団から抜け出そうとアタックを試みました。一時は先頭グループが見える程度の距離まで近づいたのですが及ばず、集団に戻りました。その後、集団のペースは上がらず、先頭グループとの差は30~40秒まで開きました。この間に川口選手も集団の前を引くなど積極的な動きが出来ていました。 

集団に動きがあったのは残り8周を迎えた時。8名が第2グループとなってハイスピードで先頭グループの追走を始めました。川口・佐々木両選手共、残念ながらこのグループに加わることは出来ませんでした。この時点で先頭グループ6名、第2グループ8名、そして最終グループ15名、という形になりました。

取り残された選手達による15名の最終グループは牽制状態になったため、その中から佐々木選手は残り2周でもう一人の選手と集団から飛び出しました。そして最終周を迎える直前で置いて行かれて独走状態になってしまいましたが、何とか集団に追い付かれる事なく逃げ切って16位でゴールしました。

川口選手は、17位―29位を争うグループの中で残り1周を先頭で通過しましたが、鋭角なコーナーに続くS字カーブで縁石に乗り上げて、沿道の植え込みに倒れる様に落車。この時点でリタイアしてしまいました。残り2周でグループのペースが落ちて前方に出る事が出来たため、少しでも良い着順を狙おうとする焦りから自らの技量を超えた無理なスピードでS字カーブに入ったのが落車の原因だった様子です。幸いにして他の選手を巻き込む事は無く、しかも植え込みの灌木の上に載った形の転倒だったため、灌木の枝で顔面を少し引っ掻いてしまった程度で、それ以外のダメージは無く、自転車も無傷でした。残念なのは、直ぐに起き上がって走れる状態だったにもかかわらず、その場でリタイアしてしまった事。あと僅か1kmを走ってゴールラインを通過していれば30位内で賞金獲得だったのです。今日は最後のオランダのクリテリウムレース、何が何でも完走して賞金を狙うというスタート前の目標に向かう「執念」が見られませんでした。精神力の弱さが丸出しになったという印象を受けました。

佐々木選手は、レース全体において良く動き、積極的にアタックを繰り返しました。特に最後の詰めの段階でゴールスプリントよりも先行逃げ切りを選んだのは適切な判断でした。 最後は一緒に逃げた選手に置いて行かれてしまったものの、何とか後続に捕まらず逃げ切った走りは、立派でした。今回のスクールで走ったクリテリウムレースの中で一番良い走りが出来ました。

2014年6月30日月曜日

6月25日(水)ベルギー・Heist op den Berg ケルメスレース

 距離:120km (1周約6km X 20周)
出走者数:83名
天候:晴れ
気温:20度

<結果>
川口選手: 先頭から1分13秒遅れ、35位から67位のメイン集団でゴールし、着順は48位。

佐々木選手:川口選手と同じくメイン集団でゴールし、着順は39位。


今日も穏やかな良い天気だったため、平日のレース(スタートは18時)ながら83名が出走しました。Heist op den Bergの街は、僅かながら丘陵的な地形になっているのでコースに登坂が含まれていると予想しておりましたが、坂と言える程の起伏は無く、ほぼ平坦のコースによるレースでした。

スタートしてから2周の時点で、8名による先頭グループが構成され、集団が真剣に追走しなかったため、7周目には1分20秒近くの差となりました。その後も1分半前後の距離を維持し、8名が逃げ続けるという単調な展開が続きました。集団が動き始めたのは11~12周目あたりから。集団から飛び出そうとする選手達のアタックが繰り返され、佐々木選手も前に出て積極的に動きましが、決定打には結び付きませんでした。16周目に先頭グループ8名から4名がアタックを仕掛け、「4名ー4名―メイングループ」という形に変化。その次の周に先頭4名の中の1名がメカトラ(おそらくパンク)で脱落して「3名―4名―メイン集団」となりました。残り2周、メイン集団が二つに分離し、25名が第2グループを作り、猛スピードで前の4名に迫りました。この際、佐々木・川口両選手は、25名に加わることが出来ず、後方グループに取り残されてしまいました。

結局、先頭3名はそのまま逃げ切りを決めましたが(追走グループと18秒差)、先頭グループで走り続けた残りの4名は、ゴールライン直前で25名に捕えられる寸前、ギリギリでフィニッシュ(一人のみ後ろから来た1名に抜かれて8着)、32位までが決定。佐々木・川口両選手は、ここから55秒遅れで最終集団内でゴールしました。佐々木選手は後半、メイン集団内で頻繁ににアタックを試みるなど果敢に動きましたが、肝心の逃げグループには今日も加わる事が出来ませんでした。川口選手は、今日は脚が重かった様子で、なかなか集団の前に出れずに苦労していました。それでも二人共、集団から千切れる事は無く、完走レースの数を増やしました。

現時点での2名のレベルでは、まず最後まで千切れずに走り切る、その中でどこまで積極的な展開が出来るか、これが目標です。残すところあと2レースになりました。これまでに学んだ事を十分に発揮し、そして思い切り走って欲しいと思います。

2014年6月26日木曜日

6月23日(月) オランダ・Luyksgestel クリテリウムレース

距離:2300m X 39周 約90km 
出走者数:48名
天候:晴れ
気温:20度
 
<結果>
川口選手: 先頭グループ6名、第2グループ8名の後方メイン集団(18位―45位)で完走。 着順は35位。

佐々木選手:川口選手と同じメイン集団で完走。着順は32位。



今日も穏やかな天候で、自転車レースには快適な1日でした。Luyksgestel のクリテリウムは、年に一度のケルメス(移動遊園地がやって来るお祭り)のイベントとして開催されているため観客も多く、しかも今日はサッカーワールドカップでオランダ代表の試合があり、天気が良かったため、コース沿いの家庭の多くが屋外にTVを持ち出して、サッカーと自転車レースを同時観戦していて、大いに盛り上がった雰囲気になっていました。スタート&ゴール地点に設営されたVIPテントには大型TVが数台設置され、招待客は食事をしながらサッカーと自転車レースを同時観戦するという贅沢な楽しみ方をしていました。

コースに難しいコーナーはなく、舗装も良好で道幅も広かったため、離脱する選手が少なく、48名の出走者で45名が完走。この中で周回遅れになっていた選手は3名のみでした。レースはスタート約20分後に前回出場したオランダのクリテリウム(Oirschot)で1-2フィニッシュを決めたコンチネンタルチーム「De Rijke」の選手2名を含む6名がアタックを仕掛け、先頭グループを構成。その後、集団に大きな動きがなかったため、1分程度の差が開きました。中盤を過ぎてからも集団は分離せず、しかし一定のスピードは保たれていたため、先頭グループとの差は50秒~55秒のまま後半戦に突入。残り10周になった頃、集団から飛び出そうとする選手のアタックが繰り返されましたが、なかなか決まらずの状態が続きました。そして残り4周、8名がやっと集団から飛び出すことに成功し、猛スピードで先頭6名を追走。残り2周の時点で先頭6名に24秒差と迫りましたが、6名の逃げ切りが決まりました。

今日のレースは、コーナーが比較的簡単だったため、コーナーリングの技術が未熟で、その立ち上がりで遅れを取ってしまいがちな川口選手も最後まで集団から千切れることなく、完走することが出来ました。現在のレベルでちょうど良い練習になっていたと思います。ただ、90kmという距離を集中し続けて走った経験が無いため、後半には集中力が途切れがちになり、思う様には走れなかった様子です。それでも確実に進歩が見られる走りをしていました。
 
佐々木選手は、中盤から集団の前方に出て先頭を引くなど積極的な走りが出来ました。しかし、後半に集団のスピードが上昇すると共に後方に下がりがちになり、最後はゴールスプリントでも前に出れず、32位とあと一歩、賞金獲得に及びませんでした。(30位まで賞金)自らアタックを仕掛けても他の選手達に簡単に付かれてしまう。ゴールスプリントで良い位置に居てもゴール手前で追い抜かれてしまう。いずれも「一発ダッシュ」の切れ味が不足しているのが原因と考えられます。ダッシュ力(スプリント力)を向上させる必要性を痛感させられたことでしょう。

2014年6月23日月曜日

6月21日(土)ベルギー・Rijkevorsel ケルメスレース

距離:120km (1周約5.2km X 23周)
出走者数:79名
天候:晴れ
気温:20度

<結果>
川口選手: レース前半は集団の良い位置を走っていましたが、中盤に入ってペースが上がってからは前方に出る事が出来ず
       後半に集団が分離した際に単独で離脱。あと4周を残して降ろされました。DNF

佐々木選手:川口選手と同じくレース前半は、二人で集団の前を引くなど積極的に動きましたが、レース終盤の決定的な15名の
        アタックに乗ることが出来ず、さらにその後の集団からの少人数のアタックにも加われず、メイン集団(28位以降)で
        ゴール。着順は39位。


今日は暑からず、寒からず、絶好のレース日和となりました。Rijkevorselのコースは舗装も良好で、比較的簡単なレイアウトですが、一部の箇所に自動車がスピードを出し過ぎない様にする目的で設置された障害物があり、注意が必要でした。

スタート直後からいきなり激しい展開になるクリテリウムはもちろん、ロードレースでも出来る限り前の位置からスタートする方が絶対的に有利となるため、川口・佐々木両選手には、早めにスタート地点に行き、前からスタートする様に指示しております。今日は二人揃って最前列からスタートしたため、レース前半は容易に集団の良い位置を確保出来た様子でした。また、少人数のアタックは頻繁に繰り返されましたが、いずれも決まらず、集団の常用速度も比較的安定していたため、レース中盤までは2名共、集団内を巧く走れていました。

レースは中間ラップの懸賞金の懸けられた10周目に一気にペースが上がり、その際に15名が先頭グループを構成。 この15名の脚並みが揃っていたため、集団との距離が短時間に広がりました。そして、その差が1分以上になった18周目にメイン集団から6名が飛び出して第2グループに。さらに6名が第3グループとなりました。この展開でメイン集団のスピードが上がったため、川口選手はそのスピードに付いて行けず、単独で離脱してしまい、あと4周を残して降ろされてしまいました。佐々木選手は、メイン集団から飛び出す選手達のアタックに乗ろうと再三試みた様子ですが、スピード不足のため、集団に取り残された形となってしまいました。それでも28位以降を競う集団には残ることが出来て、28-30位の賞金圏を狙うゴール勝負にも加わりましたが、スプリント力が足りず、着順は39位でレースを終えました。

川口・佐々木両選手を比較するとスピード、特にダッシュ力などは、日頃の練習で観る限り、殆ど差が無い、あるいはもしかすると川口選手の方が上回っているかも知れません。しかし、レースでは佐々木選手の方が千切れずに走れているレースの数で上回っています。その原因ですが、佐々木選手は高校時代にトラックレースを相当経験しているため、瞬間的な動き、例えばアタックした選手に反応する、空いている位置に素早く入る、などの動きが勝っているためと考えられます。 残念なのは、大学自転車部のトレーニングに殆どトラック練習が取り入れていない点です。川口選手は、日本国内で一人だけでトレーニングする日が多く、週末にグループで走る場合にもその内容がワンパターン化(一列で走る)しているそうで、レースに必要な集団内での動きがまだ巧く掴めておりません。

日本の自転車選手全てに共通する問題ですが、日本では一般公道ではグループでも一列で走る練習しか出来ないため、集団内を走る感覚が身に付きにくいのです。※(注)
また、川口選手の場合、重たいギアで練習していたため、回転力が不足しています。 これを克服するためにも日本に戻ったら、トラックレースにも参加すると良いと思います。

(注): オランダ・ベルギーでは、道交法によって「自転車は横2列までならば並走可能」
    と定められているので、グループによるロード練習は、2列縦隊で行います。

2014年6月19日木曜日

6月18日(水)ベルギー・Keerbergen ケルメスレース

距離: 116,6km (1周約5,8km X 20周
出走者数: 109名
天候: 曇り時々晴れ
気温: 19度


<結果>
川口選手: 前半から常に集団の半分より前方に位置する様に心掛け、最終回にはメイン集団のかなり前方を走っていたの           ですが、ゴールスプリントではスピードが足りず、49位でゴール。 

佐々木選手:スタート直後から良い位置を維持して走れましたが、9周目に後輪がパンク。その時点でリタイアしました。DNF


4月中旬から8月中旬にかけて、陽の長いベルギー・オランダでは、平日でも夜18時から20時スタートで80~120km程度のロードレース(オランダでは主としてクリテリウム)が頻繁に開催されています。 今日のレースも18時スタート。 学生はもちろん社会人でも仕事を終えてからレース参加が可能なため、109名が出走しました。

Keerbergenのコースは道幅も広く、道路の舗装状態も良好なので高速レース(平均速度は47,852km/h)となりました。 しかし、今日は風が比較的穏やかだったのと集団が大人数で大きかったため、脱落する選手が少なく、またインターバルの様にアタックが繰り返される度にスピードが上がっても逃げは決まらず、常に大集団での展開となりました。

15日(日)に初めて走ったベルギーのレースにおいて、川口・佐々木両選手共に風の中の走り方の基本技術を分かっていなかったので、昨日、一昨日と講義、練習において「風の中での走法の基礎」を教えました。2名共、今日はこの点を特に留意し、集団の中で出来る限り風を受けない位置取りをする様に心掛けました。そのため、15日のレースでは集団から離脱、あるいは適切なラインから外れていた走りが相当改善されました。

佐々木選手は前半から集団の前に出る積極的な動きをしましたが、不運にも9周目に後輪がパンク。その時点でリタイヤとなり、集団の後方を追走する収容車に乗って、スタート&ゴール地点まで戻りました。

川口選手も今日は集団の中を巧く走り、「無駄脚を使ってしまう」というこれまでの課題をかなり克服してきた様子がはっきり窺えました。特にレース後半にスピードが上がっても後方に下がることなく、メイン集団の前方に位置出来た点は、この2週間の大きな成果でしょう。レースは、最後まで大集団のまま展開し、19周目に31名のトップグループがメイン集団に僅かの差を付けた状態で最終周回を迎えました。ゴール手前で大集団は31名に追い付いたものの、抜くことは出来ず、そのまま94名がなだれ込むようにゴール。 川口選手は集団のほぼ中央でゴールし、49位。 初めて周回遅れ、途中打ち切りなどにならず、完全な「完走」を遂げました。

2014年6月17日火曜日

6月15日(日)ベルギー・Aartselaar ケルメスレース

距離:118km(1周約7,9km X 15周)
出走者数:76名
天候:晴れ時々曇り
気温:20~22度

<結果>
川口選手: レース前半はメイン集団を走っていましたが、中盤に入って集団が分離した際に後方グループに取り残された形とな         り、先頭グループとの差が開いたため、残り5周でレース終了。DNF

佐々木選手:1周目、19名のアタックに巧く乗ったのですが、2周目に先頭グループから離脱。その後はメイン集団で走りましたが         レース中盤、集団のスピードが上がると共に後方グループになり、さらにそこから単独で離脱し、残り6周で終了。DNF


今日はベルギー・Aartelaarのケルメスレース参加。川口・佐々木両選手にとって、初めて走るベルギーのレースです。Aartelaarのレースは、道幅も広く、特に難しいコーナーも無く、比較的簡単なコースですが、風が吹く抜ける箇所が多く、集団での位置取りが影響します。今日は多少風が強めだったので、レース前に風の流れを事前に観察し、走り方に注意する様に指示を出していました。

レースは1周目から19名による先頭グループが構成され、それに佐々木選手は加わることが出来たのですが、2周目に一人だけ離脱してしまいました。レース後に本人は「スタート直後だったので、自分の調子が掴めていなかった」と語っていました。しかし、メイン集団に戻った後の走り方を私の知人(ベルギーの選手)が集団内で観ていて教えてくれたのですが、「集団内で風上を走るなど無駄が多く、走り方に問題あり」だった様子です。折角先頭グループのアタックに乗れたにも拘らず、そのグループ内で巧く走れずに離脱してしまったのでしょう。

川口選手は、これまで出場したレースでは前半に無駄脚を使ってしまって、肝心な時に千切れてしまう走りをしているので、今日は前半の少人数のアタックは見送って、レース中盤以降になってから活発に動く様に心掛けました。そのため、レース中盤まではメイン集団から離脱せずに走れましたが、8周目にメイン集団から15名が飛び出して追走グループを構成した際に上がったハイスピードには付いて行けず、後方のグループに取り残されてしまいました。また、数十名による高速での集団走行に不慣れなため、思う様に集団内を走れていなかった様子です。

結局1周目にアタックした先頭グループ(最終的には17名)がレース中盤で構成された14名(15名から1名離脱)の追走グループに2分以上の差を付けて逃げ切りを決めました。完走(着順が付いた)は、31名。佐々木選手は、もしも先頭グループから離脱しなければ、最低でも18位だったので惜しまれます。 集団での平地高速走行に慣れていない日本選手の弱点がはっきり表れた結果でした。

2014年6月13日金曜日

6月12日(木) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース(非公式レース)

距離:90分+3周(11700mの自転車専用サーキットコース)
出走者数:約70
天候:晴れ
気温:2022

<結果> 
川口選手: 8名の先頭グループにラップされて1周遅れとなったメイン集団内でゴール。 着順は不明。

佐々木選手: 約60分経過した時点で構成された8名の先頭グループに加わり、メイン集団をラップ。
                      最終回に2名の選手と共にアタックし、3名のゴールスプリントで3着。


今日は、先週も走ったオランダのクラブチームDe Molのサーキットコースでのトレーニングレースに行きました。既にコースとレースの雰囲気を知っているので、川口・佐々木両選手共に気分的にはかなり落ち着いてレースに臨むことが出来ました。トレーニングを目的とした非公式レースゆえ、着順よりも「レース感覚を掴む、自らの限界を把握する、追い込んだ走りをする」を重視して走る様に指示を出しました。

川口選手は、先週のレースではスタート直後から積極的に走り過ぎ、自身の限界を超えてしまい、単独で集団から離脱してしまったため、今日は特に自分の限界を知る走りをする様に心がけた様子です。 しかし、レース前半、決まるはずの無い逃げに加わってそのグループを引く。また、不必要に集団の前を引き過ぎたため、約1時間経過した時点で先頭グループ3名を追走する5名に付いて行けず、後方のメイン集団に戻らざる負えなくなってしまいました。もしも5名に付いて行けたならば、先頭3名に追い付いて、メイン集団をラップした先頭グループのゴール勝負にも加わることが出来たはず。前半から積極的に展開し、自らを追い込む走りは評価しますが、 肝心な時に脚が無く、無駄な走りをしているのが改めて浮き彫りになりました。 
 
佐々木選手も前半から集団の前方に位置し、積極的に動いていましたが、スタート後、60分に自ら仕掛ける様な形で3名の先頭グループを構成。メイン集団からは、力のある選手6名(川口選手を含む)が飛び出して、これを追走。途中でスピードに付いて行けず離脱した川口選手を除く5名が3名に追い付いて先頭グループが8名となり、先頭グループのスピードが一気に上がりました。後続のメイン集団に大きな動きがなかったため、ラスト2周で先頭グループが集団をラップ。 そのため、集団は残り1周で打ち切りになり、最終回は8名の先頭グループのみに。佐々木選手は、最終回の登坂箇所で果敢に攻めて、ゴールまで約400mの最終コーナーを3名で曲がり、ゴールスプリントなりましたが、2名のスピードに及ばす、3着でフィニッシュしました。今日はトレーニングレースで、しかも既に走った経験のあるコースゆえ、思い切ったアタックを仕掛け、しかもレースに必要な展開も良く考えながら走れていました。

2014年6月12日木曜日

6月10日(火) オランダ・Oirschot クリテリウムレース

距離:1430m X 56周 約80km
出走者数:約30数名
天候:晴れ時々曇り
気温:23度、終了時21度

<結果>
川口選手: スタート後、約10分で集団から離脱。同様に千切れた選手と共に周回を重ね、メイン集団に戻るも離脱し、数名の小グループで走り続け、残り10周で打ち切り。 着順は29位で賞金を獲得。(30位まで賞金)
佐々木選手:メイン集団から離脱することなく巧く走れましたが、トップ2名に集団がラップされたため、10周を残し打ち切り。着順は21位で賞金を獲得。(30位まで賞金)

注:「レース打ち切り」とは、審判によってまだ残り周回があるにもかかわらず、
レース終了を告げられて終わる事。自ら止めてしまうリタイアはDNFになりますが、打ち切りの場合はDNFではなく、その時点での着順が公式記録となり、30着以内ならば賞金も出されます。 


昼過ぎから夕方にかけて降った雨があがり、路面も乾燥して心地よい天気になりました。Oirschotのコースは、石畳(路肩はレンガ舗装)とコンクリート舗装が半々。一箇所ほぼ180度旋回する鋭角なコーナー、その反対側にはクランク状のコーナーがあり、技術を要求されるコースで、もしも雨で路面が濡れていたならば、結構危険なレースになったと思われます。

川口選手は、前回のレースでコーナーリングの際に前の選手との間隔を空け過ぎて、無駄なエネルギーを使ってしまったので、今日はその点を特に留意してレースに臨んだのですが、コーナーで気持ちが先行してしまい、鋭角なコーナーに入ってからペダルを踏んでしまってペダルが接地して、あわや落車する危険な状態に陥りました。 何とかバランスを保って最悪の事態は回避出来ましたが、もしも運動神経の鈍い選手だったならば、周囲の選手を巻き込む大事故になっていたかも知れません。このトラブルによって、再び集団から離脱してしまいましたが、今日は数名が同様に離脱していて、この選手達と共に小グループを形成し、その後は巧く走れていました。

佐々木選手もレース後に聞いた話では、レース前半に川口選手と同じコーナーでペダルを地面に擦ってしまったそうですが、落車には至らず、その後のレースはとても巧く走れていました。今日のレースでは、スタート直後の直角コーナーの出口での立ち上がりのスピードに苦戦していた様子です。
レースは、スタート約20分後に(*)コンチネンタルチームDe Rijke(アマチュア・スポンサーチーム)の有力選手2名が飛び出し、そのまま集団に差を付け、レース後半にメイン集団を1周ラップ。この時点でメイン集団の前には6名のグループが形成されていました。 この6名以降のメイン集団は、ラップしているトップ2名以外、残り10周で打ち切りになってしまいました。

結果として、出走者数が少なかったこともあり、川口・佐々木両選手揃って30位以内の着順が付き、自転車レースにおいて初めて賞金を獲得しました。 

(*)注:オランダでは、コンチネンタルチーム所属選手でチームと報酬(給与)契約を結んでいる選手には「プロフェッショナルB」というライセンスが発行されていますが、この「プロフェッショナルB」という名称は、便宜上のものであり、本当のプロフェッショナルとは、あくまで「プロ・コンチネンタルチーム」「プロツールチーム」とされています。 日本でも「コンチネンタルチームは、プロチームではない」と、つい最近定義付けされた様子ですが、これは世界的にも正しい認識だと思います。 つまり、現在、日本国内には、プロチームは存在しない訳です。(コンチネンタルチームは、プロとアマチュアが完全に分離していた時代の制度におけるアマチュア・スポンサーチームです)

2014年6月10日火曜日

6月7日(土) オランダ・Papendrecht クリテリウムレース 

距離:1580m X 57周 約90km 
出走者数:48名
天候:晴れ
気温:28度

<結果>
川口選手: スタート15分後に単独で集団から離脱。その後、集団に戻りましたが、ほぼ15分毎に離脱を繰り返し、8周遅れで           ゴール。着順は40位。 

佐々木選手:レース前半、集団の前の方に位置し、レース中盤までは先頭グループを追走するメイン集団の先頭を引くなど積極的         な走りを見せましたが、1時間を過ぎてから次第に集団後方に下がってしまい、ちょうど1時間半を経過した残り12周の         時点で集団から単独で離脱。その後は周回遅れで集団に戻るも付いて行けず、5周ラップされてゴール。着順は39位。 

Papendrechtのコースは、長方形(4コーナー)の左回り(反時計方向)なので、コーナーは特に難しくは無く、路面は良好なレンガ舗装とアスファルト舗装が半々という比較的簡単なコースです。しかし、簡単なコースゆえにハイスピードな展開になるので、高速レースの経験が少ない2名がどれだけメイン集団に付いて行けるか。とにかく少しでも長く集団内を走る、それが今日の目標でした。

レースは予想通りスタート直後から集団が1列状態になる激しい展開となり、川口選手は約15分で離脱してしまいました。 オランダのクリテリウムレースでは、集団から離脱して周回遅れになっても審判から中止を命じられるまではメイン集団(あるいは最後尾のグループ)に戻ってレースを継続出来るので、集団走行の練習のためにも選手達には「千切れても降ろされるまで走り続けろ」と指示を出しております。 その指示通り、川口選手は集団に戻って走り続けましたが、約15分毎に離脱を繰り返し、8周遅れでのゴールとなりました。

川口選手の問題点は、まずコーナーに入る際に前の選手にピッタリと付いて走れないため、コーナーを出てからの立ち上がりでスピードが上がる度に車間を詰めるために相当のエネルギーを消耗してしまうコーナーリングテクニックにあります。 もう一つは、スピードが上がった際に軽いギアを高回転で回すことが出来ず、重たいギアに頼ってしまうため、1周長1580mに4コーナーというクリテリウムでは、直ぐに脚が一杯になってしまうというのが問題点です。これは、これまでの日本国内におけるトレーニングにおいて、登坂以外は殆どアウターギアーを踏む練習が中心だったため、レースに必要な回転力をまだ十分に習得していないためと考えられます。

佐々木選手は、高校の自転車部時代にトラックレースを走り、日常の練習でも軽いギアでトレーニングを積んでいたため、高速レースを軽めのギアで走れていました。 また、集団の中でも前の選手との間隔を空け過ぎることなく、巧く反応出来ていたと思います。 問題は、2時間半、90kmという時間と距離を今日のレース様な高速で走り続けた経験が無く、腰痛を起こすなど身体面が付いて行けなかった様子です。これからレースの場数を踏むと共に、当地の優れた練習環境でノンストップのトレーニングを積めば、後半も千切れずに戦えるようになるでしょう。

2名共に集団から脱落して以降も周回遅れになりながら最後まで走ったので、佐々木選手39位、川口選手40位と着順が付きました。(着順が付いたのは40名、残り8名は自らリタイアしたため、DNF

2014年6月9日月曜日

6月5日(木) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース(非公式レース)

距離:90分+3周(11700mの自転車専用サーキットコース)
出走者数:約70
天候:晴れ時々曇り
気温:1517

<結果>
川口選手: 前半は積極的に集団の前を走りましたが、中盤に集団から単独で離脱。その後、周回遅れで集団に戻り                集団と共にゴール。

佐々木選手:スタート直後に5名の先頭グループを形成しましたが、5名に付いて行けず集団に戻り、そのまま集団内                走ってゴール。


  「パールイズミロードレーススクール」、今年の第一戦は、オランダ・Dordrechtのクラブチーム De Mol が所有する自転車専用サーキットコースで4月第1週から9月第1週まで毎週火曜日、木曜日に夜7時スタートで行われているトレーニングレースを選びました。 緯度が高く、しかも夏時間を採用している北ヨーロッパは陽が長く、6月頃は10時まではライト無しで屋外を走れます。 そのため、平日でも2~3時間程度の時間で走れる距離のロードレースが頻繁に開催されています。 非公式レースなので、15歳以上の全てのカテゴリーが同時スタートで行われます。 コースは難しいコナーは無く、路面も良好なアスファルト舗装で道幅も広く、ハイスピードな展開になりますが、初めて欧州のレース走る2名にとっては、ちょうど良い練習になります。

川口選手は前半、先頭集団を追走するグループに加わったり、メイン集団でも頻繁に先頭を引く積極的な走りを見せましたが、追走グループから離脱した後、単独で長い距離を走るなど無駄なエネルギーを使ってしまったため、集団の速度が上がった際にあっけなく千切れてしまいました。 前に行こうとする走りと意識の持ち方は良いのですが、自分自身の限界点を感じ取れていないという問題点が浮き彫りになりました。 

佐々木選手は、スタート直後に飛び出した5名のアタックに巧く乗って6名の先頭グループで前半の周回を重ねたのですが、スピード不足のため、単独で離脱し、後方のメイン集団に戻りました。 この5名が先頭交代を繰り返しながら集団に差を付けて、逃げを決めてしまったので、もしも付いて行けたならば最低でも6位に入れたので悔やまれます。 レースは、1時間経過した時点でメイン集団に大きな動きがあり、15名が第2グループを形成。 この時も佐々木選手はこの動きに反応していたのですが、やはり加わることが出来ずにメイン集団に戻ってしまいました。 残り時間10分で先頭グループがメイン集団に追い付いたため、トップ5名以外の集団は残り3周を残して終了になってしまいました。 第2グループ15名は、脚並みが揃っていて、メイン集団(トップ5名を含む)に短時間で半周近くの差を付けて、トップから半周遅れのゴール(6着~20着)となりました。 つまり、佐々木選手はこの15名に加わっていれば、21位以内で完走出来た訳です。前半と後半、肝心なところで前のグループに付いて行けなかったのが今日の敗因です。