2013年8月24日土曜日

8月20日(火) オランダ・Dordrecht クリテリウムレース(非公式レース)

距         離: 90分+3周(1周長1700mの自転車レース専用サーキットコース)
出走者数: 約70名     
天         候: 晴れ時々曇り   
気         温: 21度
<結果>
吉田選手: トップグループにラップされた周回遅れ(1周)の集団でゴール、着順は不明。
8月15日のレースレポートでも報告しました様に、オランダでは各地に連盟公認クラブチームが所有する自転車専用サーキットコースが有り、毎週レースのためのトレーニングを目的とした非公式レース(トレーニングレース)が行われています。
日本の自転車競技選手、あるいは指導者から「どの様なトレーニングをすれば強くなれますか?」と頻繁に質問されます。
それに対する回答はズバリ「レースを走るしか強くなる方法はありません、レースこそが最高のトレーニングなのだから」です。
これが陸上競技と自転車競技の決定的な違いです。
殊の外、日本人が好む最新鋭の機材を利用した数値を向上させるトレーニングは、自転車競技に必要な基礎体力を養成しているに過ぎません。
しかし、自転車競技は陸上競技の様に基礎体力と運動能力が高い選手がそのままマイペースで走って勝てる程、単純なスポーツではないのです。
今回、吉田選手は公式レースを1レースも完走出来ておりませんが、レースを完走している選手の中には数値的には吉田選手よりも劣る選手が存在していると思います。
自転車競技では、集団の中を恐怖心を持たずに走れるか、コーナーを思い切り攻める走りが出来るかなど、心理的な要素が多々影響するのです。
これららの心理的要素を克服しない限り、たとえ数値的にはかなり高いレベルであっても決して優秀な選手になれないどころか、完走すら出来ない、それが自転車競技の難しい所でしょう。
自転車で速く走ろうと思えば、日本人が好む科学的な練習で誰でも速く走れるようになれますが、レースで上位に入る選手は、肝心な時に速く走れる選手であり、集団の中での位置取りや恐怖心を持たずに走れるかどうか、それが重要なのです。
これらの問題点を克服するには、レース、あるいはそれと同様の状況で走る以外に道は無いと言っても過言ではありません。
Dordrecht の自転車専用サーキットは、良好なアスファルト舗装で難しい鋭角コーナーも無く、日本人向きのコースと言えます。
そして、全てのカテゴリーが一緒に走るトレーニングレースなのでレベルも公式レースより低く、こういうレースを通じて初心者や経験の乏しい日本の選手は「レース慣れ」 する事が可能なのです。
今日のレースは、約20分が経過した時点で有力選手達が12名がトップグループを構成し、徐々に集団との差を広げ、1時間20分の時点で集団をラップしました。そのため、残り3周で集団は13位以下のゴールスプリントとなり、吉田選手もこの集団でフィニッシュしました。