2013年7月31日水曜日

7月29日(月) オランダ・Roosendaal クリテリウムレース

距         離: 80km (29周)
出走者数: 68名    
天        候: 晴れ時々曇り  
気        温: 23℃
 
<結果>
窪木選手: 28位以下を決める28名の最終グループで5番目にゴールし、着順は32位。
                   (完走は55名)
 
吉田選手: 4周目に集団から離脱。同じく千切れた選手と2名で走り続けましたが、
                    残り10周で降ろされました。DNF。
 
 
Roosendaal のクリテリウムは、荒れたレンガ舗装の部分が多く、しかも風が吹き抜ける運河沿いの直線が長く、運河に架けられている跳ね橋を180度旋回するコーナーなどが含まれていて、オランダのクリテリウムの中でも難易度の高いコースレイアウトになっています。
今日は気温23度前後で涼しく、走りやすい天候だったのですが、多少風があったため、運河沿いの直線での位置取りが重要な要素になると予想されました。

吉田選手は、前を走る選手の後方(風を受けにくい位置)にピッタリと付いて走ることが出来ず、そのため空気抵抗を必要以上に受けている様子。そのため、1周目から集団後方に下がってしまい、スピードが上がった3-4周目に集団から離脱。同様に離脱した選手と共に走行を続け、周回遅れになってからも走り続けましたが、残り10周の時点で降ろされました。
吉田選手は、コーナーでの立ち上がりの鈍さだけでなく、日本のレースではあまり重要な要素にならない集団内を走る技術が不足しているため、当地のレースレベルには、付いて行くのさえ困難な状況です。レースの前半は、スピードがあまり上がらず、そのため窪木選手は常に先頭周辺に位置し、周回ポイントを取りに行く積極的な走りをしていました。また、他の選手達のアタックにも殆ど全て反応する動きをしていたのですが・・・
残り9周で有力選手達が仕掛けたアタックにより構成された13名のトップグループに乗ることが出来ず、さらにそれを追走する第2グループ(7名)、第3グループ(5名)にも加われず、最終グループに取り残されてしまいました。


窪木選手は、レース展開(駆け引き)の拙さを自ら自覚していて、PIロードレーススクールではこれを学ぶ事を最大の目標と考えておりますが、今日はこの欠点が鮮明に浮き彫りになりました。レースが肝心な局面を迎えた時に集団の後方に下がってしまい、最初からマークする様に注意していた有力選手達の動きには反応出来なかったのです。レースを走り終えて「今日のレースのペースは遅かったし、調子が良かったので優勝出来るレースだった・・・」などと語っていましたが、これこそ大きな勘違い、錯覚で、レースが全く読めていない証拠でしょう。
ペースが遅かったのは、窪木選手が自由に動けた前半だけ。(だから調子が良いと感じた?)
そして、遅かったのは窪木選手が取り残された最終集団であり、それは言うならば「弱者の吹き溜まり」であって、先頭グループのペースは速く、特にラスト2周は激しい駆け引きの攻防戦となっていました。 
実際、最終集団は先頭グループに2分半近くも差を付けられていますし、その次のグループ8名とも1分半の開きがありました。 
「優勝」を意識(口にする)出来る選手が、この様な最終集団に居るはずなど無いのです。

 
自転車ロードレースは、独走(T.T)のタイム、あるいは心拍計やペダルを踏み込む際のパワー(トルク)を計測する機器に現れる「数字」がいかに優秀であっても、レースで強い選手とは限りません。数字には表れない選手のセンスが大きな要素となっているのです。
高い数値を出せる選手は、単純に「基礎体力がある」というだけであり、それは「強い選手」の基準にはなりません。ロードレースで「強い選手」とは、「安定して上位に入れる選手」であり、基礎体力で勝っていても駆け引きが下手な選手は「弱い選手」なのです。